有名投資家ウォーレン・バフェットが増資を発表し、新卒学生の就活でも人気企業にあがる日本の商社。
「ラーメンから航空機まで」などと言われ、その広い商圏から特徴をつかみづらいのが難。
海外では珍しい業態らしく、業態が増えれば選択と集中という名のもとに分社化するのが一般的だそう。諸外国から見るとわかりづらいようで、バフェットの資金が入ったことがニュースになった。
そんな日本の総合商社を観察したいと思う。
商社の概要
江戸時代末期、あの有名な坂本龍馬、勝海舟が世界と渡り合うために組織した「亀山社中」が大元とされている。
そこから枝分かれしたというより、貿易商で海外とのハブになる→モノ、カネの通り道を商売の手法を引き継いでいる印象。
商品を作る・売るというより、製品と顧客をつなぎ合わせる。当時としては、文化的に日本を開放する目的が強く、起業家のような野心があったのではないか。
第二次大戦敗戦後に解体されたといわれる財閥を発端にするものが現代の商社の姿に近い。解体されてなお、富める者は富み続けるを体現している。
その財閥である三菱、三井、住友はどれも語尾に「商事」をつけるとしっくりくるほど耳覚えがあるだろう。
他は関西で繊維の卸売りをしていた企業(伊藤忠など)、地方で鉱物を扱っていた会社や食品関連から大きくなったものが多い。
素材から製品、物流など自前で用意するうちに巨大化していったのだと思う。
製乳から商品化の花畑牧場や、海産物の流通販売ルートを利用していった「マルちゃん」の東洋水産がわりと似ているように感じた。
海外ではあるが、ECからデータセンター、物流・倉庫に展開しているamazonも商社と呼ばれる日も近いのかもしれない。
総合商社・専門商社
総合商社
「総合」と言っておきながら、専門商社から始まり成長する中で総合商社と変わらない業務内容になっていった企業もある。
それはさておき、大きなくくりとして総合商社と呼ばれる企業の業務形態を書いていく。
流通
貿易や小売り、物流とその貿易など付属するサービスを展開。
外国との貿易なので為替にも触れることになる。物とお金を握ることになるので、商売としてのポジションは強い。
金融
「晴れの日に傘を貸して雨の日に取り上げる」
これは個人向けの金融ではなく、企業間での貸しはがし・貸し渋りで使われる言葉。
トヨタと旧三井銀行の話は有名な話。企業向けの金融は儲かる。
貿易や物流、資源で得たキャッシュを取引先に融資するための銀行業に進出することは多い。
情報
かつては情報に触れる機会が少なかったが、インターネットの普及により、コネクションが重要視されるようになった。オンラインで手軽に情報が手に入るようになった分、俗人的なコネクションは、より希少性が増していくのかもしれない。競争力が増した分、インサイダー的な動きが強くなる懸念はあるが。
資源採掘や小売りとつながり、広い販路を持っているのは強い。ECやウーバーのようなサービスが広まったとしても、対面販売が多くを占める時代はまだまだ続く。
中間業者である商社は、物流の普及や情報技術の変化で幾度となく中間マージンの発生に疑問を持たれ窮地に立つことがあった。
そこで、関連企業の買収、社員を出向させて業務内容を増やしたり、新規業務を立ち上げ総合商社はさらに複雑化していく。
ヒト(営業力)・モノ(商品の多様性)・カネ(資金力)で戦う業態。
専門商社
古くからある、繊維業、資源開発、製油など大規模な業務を行いながら、卸し、販売、物流を行う、特化型が専門商社と呼ばれる。
スペシャリストなので、扱う商品に対する知識や経験は深い。
総合商社・専門商社の違い
結局の業務内容は売り手と買い手をつなぎ、物流や支払いのタイミングを調整する役目。
ここは同じで、扱う商品やサービスの種類に差がある。
特化するか、何でも揃うかの違い。
繊維関係に問題があればその専門業者の業績に影響が出てしまう。
よく言うセクター分散の意味であれば、総合商社株を持つことは正解なのかもしれない。
まとめ
総合・専門両方に通じるものは、
トレーダー。
商売のお手伝い。
ハブ。
簡単に言えば、良いものを調達して提供する。
一言で書いてしまえばこんなにも簡単になってしまう。
収益性が高かったり、従業員の年収が高いっていうことはそれだけ商売って難しいんだなぁ。と。
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