横綱企業、4063信越化学工業を観察していく。
セクター分類
セクター分類では「化学」に分類される。
競合企業は以下
3407 旭化成
4188 三菱ケミカル
4021 日産化学
4005 住友化学
etc
ちなみに、大本は「日本窒素企業」という会社から分社した。
兄弟企業として旭化成、積水化学、日本ガスがあるが、現在はそれほど深い関係はない。
業務内容
素材メーカーになる。
原材料を生成・加工し、商品の元となる素材を作ることがメイン。
顧客は消費者ではなく、商品を作る苦行になる。BtoBといえばかっこいいのかもしれない。
作っている製品は以下の通り。
塩化ビニル樹脂やメタノール、シリコーンなど、実生活でもよく見る物に使われていそうなものが多い。
そんな中、世界でトップクラスのシェアを誇る商品がいくつもある。
主要製品
中でも注目なのが塩化ビニル樹脂、半導体シリコンになる。
塩化ビニル樹脂は給排水に使われる配管材や床材に使われるクッションフロア、塩ビタイル、ビニールハウスのフィルム材など多岐にわたり、汎用性が高い。
また、長期使用ができたりリサイクルがしやすいのでESG、SDGsのような時代の流れにもあっている。
原材料もケイ素なので、酸素に次ぎ地球上に大量にある素材なので原材料の枯渇の心配もなく、安価に手に入る。
TSMCやNDIVIAなどなど話題沸騰の半導体業界。
ここ数年間、足りない足りない!と騒がれていた半導体だけど、執筆時の2023/4/30現在では在庫調整期に入っいると言われる。
半導体生産のサイクルでは、増産→調整→増産の流れはよくあること。
株価や業績を追いかけるなら逐一チェックするべきだけど、長期投資ではまったりとしておいて大丈夫。またどうせひっ迫することになるので。
半導体シリコンはわかりやすくシリコンウエハと同じで考えていい。
セルフレジや掃除ロボット、すかいらーくグループのねこちゃんなど労働者不足や時短家電で進む機械化は実生活でも感じることが多い。
それらすべてが新しく半導体が使われる分野になる。
その業界で使われる素材においてトップシェアを誇る信越化学。
恐ろしい。
経営指針
惜しくも今年、2023年1月に亡くなってしまった金川千尋会長の信念を紹介しようと思う。
あくまでも素材を扱っていることを念頭に、品質や余計な付加価値を追求することをほどほどにして、生産効率や従業員当たりの売り上げを追求した。
安く大量に作る。そして、全量生産全量販売を徹底する。
業務を増やすから人を雇うのではなく、業務が増えたら人を増やす。
毎年、同じ人数の新卒採用などしない。
ちなみに、2023年3月期の一人当たりの売上金額は
280,880,000円/25,717人=109,220,515円
一人当たり一億円超え。三か月で一億円超え。
こっわ。
書くと簡単なことかもしれないが、経営の本質を実直に追求しているということになる。
言うが易し 行うが難し とはよく言ったもので、決算単信やIRを眺めていると「シナジーガー」「チョウキセンリャクガー」「セカイジョウセイガー」と書いてくる企業群と比べてみてほしい。
売り上げ利益を伸ばし、世界シェアトップを邁進し続ける信越化学工業。
伸びないわけないじゃん。横綱。
まとめ
長期投資にふさわしい銘柄や業界を探すのはとても難しい。
景気や市況に左右されながらも地道に伸びていく企業はあまり目立たないことがよくある。
目立たなくても、われわれの生活を支えてくれている企業の一つが信越化学工業なんじゃないかと思っている。
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